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ゴリラズ伝説

ライズ・オブ・ジ・オーガを趣味で訳しているブログ

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モンスターの創り方

終始、ゴリラズのデビューを成し得たのは、今日の楽曲を作り上げるためたくさんの同志の集団を集めながらした、創造的な猛進だった。

マードックの見かけ倒しのデモから生まれたアルバムの、進展版はコングの踊り場に寄せられた。スタジオは狂って絡み合った音が創り出す難解な絶え間ない音波の騒音で息づいていた。バタバタ、ガタガタ、ピチャピチャ、ドンドン、バンバン、ブンブン、チューチュー、ギャーギャー…

夜な夜な、辺りに機械を放り投げたり、ダチョウの卵を薄板に叩きつけてみたり、バケツに投げ込んでみたりに費やした。「どう考えてもこじつけ」だと思われる実験はなかった。

極めて非凡なアルバムの骨組みはすぐに形になった。しかしながら、ゴリラズのミュージシャンとしての質と力に関わらず、いまだに何かが欠けていた。その骨格には身と血と筋肉が必要だった。

ラッセル: 天候か建物か、それともただのコングスタジオの空調の不調なのかどうかわからないが、レコーディングは最悪だった。強拍ですら、その場所では。楽しく暮らすための、聴覚的な新しいセットが必要だった。活気に満ちた趣向の集まり、力強い歌を聞き取ることはできたが、ただ、弦をぐいっと引っ張るような、人生の全てを引きつけるような、誰かが必要だった。

デーモン・アルバーンの勧めで、イカれた無鉄砲な日系アメリカ人プロデューサー、「ジ・オートメーター」ことダン・ナカムラが、エキストラを入れる目的で連れて来られた。

デーモンは、デル・ザ・ファンキー・ホモサピアンのラッパーとキッド・コアラのDJが共演するダンの「デルトロン3030」という企画で、オートメーターと共に活動していた。ダンがエキストラの熱を持ち込むというその考えは、ゴリラズという獣に火をつけるために不可欠だった。

仮の羊飼いの杖を手に、ゴリラズはダンという演出家をその本拠地であるサンフランシスコから引っ張って来て、ダンの持ち曲を演奏させた。ダンはすぐにゴリラズに受け入れられ、そして彼らがどこを目指すべきかに気付いた。

ダンは、マードックの耳障りで退屈で調性のないヴォーカルだった「クリント・イーストウッド」のオリジナルバージョンが、ラップのパートに代えることでよくなるかもしれないと如才なく提案した…

それが、コングを根底まで揺るがせた野蛮な不満の声である幽霊にとって、なんらかの召喚の引き金になったようなのだ! まるでスペイン宗教裁判の号令のように、デルの亡霊がラッセルという巨大な枠の、深く暗い裂け目から飛び出した。デルは数年前に銃撃されて以来、ラッセルの中で休眠状態だったらしいが、ついに彼の出番が来たのだ。

霊の出現は、異端のラッパーの魂が突然変異のヴォーカルラインになることを解禁している間、ラッセルを束の間の昏睡状態に戻してしまった。

ラッセル: 興奮で電撃が走ったみたいだった。俺の、デルという不滅の精神を持つ幽霊の友達は、俺の頭にあった出口を突き破って「クリント・イーストウッド」のラップを解禁した。それから「ロック・ザ・ハウス」も同じ様に。音楽をまるごと変えちまった。

ダンのプロデューサーとしての次の行動は、休日を確保することだった…失礼、オーバーダビングとミキシングのために、ジャマイカの、日光を浴びた砂にあるスタジオへの「移転計画」だった。

2000年4月16日‐5月7日 ジャマイカ、ジージャムスタジオにてゴリラズ会議

影になっているところや楽天的で楽観主義な金色を帯びた暗い色合いのところは街灯がついている道に、太陽の光が沈むにつれて、強く願った結果が現れているようだった。

ラッセル: ああ。ジャマイカでしたことは正解だった。それなしにはいかなる活気も得られなかっただろう。ただ寒々しいだけだっただろう。だがそこで俺たちは良い日課を得た。遅く起き出し、数時間作業し、昼食を摂り、昼寝し、3時間程浜辺に行き、夕食を摂り、朝の3時か4時まで作業をする。リラックスしてできる活動方法だった。

2D: ダンはやばかったよなぁ。ステレオを磨くのにダフィー・ダックが加わっているみたいだった。ダンは全てのものをただの優れた音にしてしまった。

ダン・ナカムラ: ゴリラズがかなりジャマイカのダブの影響を受けていたのと、ジャマイカがレコーディングするのにいい場所なんじゃないかということで、我々はそこへ移動した。大宴会のようだったよ。この男たちは相当ワイルドだから。

マードック: 俺は大砲でそのとんまを撃たなけりゃならなかった。自分でレコーディングを取り仕切るつもりだった。

2001年3月7日、セブン・マガジンのダン・ナカムラへのインタビュー

ゴリラズはどんなだった?

ダン・ナカムラ: 即座に行動するタイプのひと達。アイディアに満ち溢れている。彼らは我々がかつて観ていたテレビ番組、『ドラドラ子猫とチャカチャカ娘』を思い出させた。

ゴリラズとのセッションの間、なにを聴いてた?

ダン・ナカムラ: ラジオから流れるものははなんでも、それと古いもの…オーガスタス・パブロ、ザ・ビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンズ』、レゲェをいくつか、ボブ・マーリー、リー・ペリー、ラップのレコードをいくつか、ビル・ウィザース、アル・グリーンなんかをね。全ての音楽からしたらほんのわずかだよ。

セッションの間、問題は?

ダン・ナカムラ: 君が仕事中や何かしている時以外の場面で直面する問題が全てのディスクにあったさ。我々はしばらく休憩のために違った歌をはさむべきだったのかもしれないが、大部分でいい時を過ごしていた。一緒にいることを楽しんでいたし、一緒に作業することを楽しんだ。それをこのディスクに聴き取ることができると思うよ。

ゴリラズになにを期待してた?

ダン・ナカムラ: 我々は物事の終わりのハードコアヒップホップを批判していたわけじゃない…今日まで続いている物事のより良い融合、少しのヒップホップ、少しのダブ、よきメロディ、ポップスの伝統的な強さをいくつか、そしてそれらを全部混ぜて真に面白い歌を作る。

マードック: 俺が書いたことだ。よし。ついてこい、その音楽がどんなか確かめよう…





メモ --------------------------------------------

Dan Nakamura, aka 'The Automator' : Dan The Automator、ダン・ジ・オートメーターのこと。

Del the Funkee Homosapien : アメリカ人のヒップホップMC、プロデューサー、シンガー

Kid Koala : カナダ人のDJ

the Spanish Inquisition : スペイン異端審問。15世紀以降、スペイン王の監督の下にスペイン国内で行われた異端審問のこと。イスラム教徒やユダヤ教徒を排斥し、キリスト教(カトリック)に統一することが目的。ここでは、合図となるセリフで大袈裟な効果音と共に俳優が登場する、モンティ・パイソンのコメディ「スペイン宗教裁判」のことかも

Daffy Duck : ダフィー・ダック。ワーナー・ブラザーズのキャラクター。お調子者

Josie and the Pussycats: 邦題「ドラドラ子猫とチャカチャカ娘」。アメリカのテレビアニメ。

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