忍者ブログ

ゴリラズ伝説

ライズ・オブ・ジ・オーガを趣味で訳しているブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

現在、新しいコメントを受け付けない設定になっています。

カムデン・ブラウンハウス

カムデン・ブラウンハウスとは、たまにしか出演できない、うだつの上がらない者や年少者が演奏することで有名なライブハウスである。だがゴリラズはそんな奴らとは違った。初めての出演からそのエネルギーと大胆さは目を見張った。頑丈に溶接された眼鏡が観客の安全のために出入口で配られた。最高潮のゴリラズの目が眩むオーラを直視することは、自ら視力を放棄する行為だ。彼らは最高だったんだから。

1998年11月5日: カムデン・ブラウンハウスでプレイするゴリラズ、今や知られ、愛されるゴリラズの初ライブ

カムデン・ブラウンハウスでの演出は見ものだった。マードックは最後の前金を積み上げ、あらかじめ連れて来ていたEMIのディレクターであるウィフィ・スミッフィを呼んだ。「俺達の初めての仕事にサインしろ、なぁ? 双方にとっていい評判になり、若者は多くの偉業…驚くべき現象…事象? ……多くの若者に新しい動きを起こさせるだろう。ああそうさ、俺たちにとんでもないことを気付かせるだろう」

ウィフィ・スミッフィは過去、音楽ゲームの権力者であり、歌唱はポンコツでも利きペプシができ、シャンパンをたしなむことがわかっている男だった。その時が来た時、彼には全てがわかっていた…

EMI、ウィフィ・スミッフィ: 『パンク』が始まるやいなや、これからの音楽の進む方向が私にはわかった。それは、これ以上最悪なことなどないだろうと思わせるまでに私を打った。私についていた他のレッテルはこれらのゴリラズを調べることで取り下げられたばかりでなく、私は曖昧な友人である交渉人まで私と同じところまでおとしめた。勝負にならない。

大ヒットと、当然のことながらウィフィと、無比のスタイル、攻撃から免れること、観衆を彼のやり方に乗せること、そしてそれら全ての重要な契約の獲得があった。ゴリラズはサインした。ひとつのギグで。ひとつの歌で。

1998年11月6日 ゴリラズレコードレーベル歌謡祭

この上なく賢明なEMIは、ビートルズやレディオヘッド、カイリー・ミノーグ、グーンズらアーティスト達のホームであるパーロフォンレーベルにこのバンドを置いた。このレコードレーベルの歌謡祭のために、費用を惜しまず全ての障害を取り除いた。

マードック: 俺にとっちゃ、何か言えるとすりゃ、すげぇめちゃくちゃなパーティだった。彼らはバロックの売春宿のように宮殿を借りて飾り立てた。3人の悪態吐きと何人かの可愛い子ちゃんがケーキから飛び降りた。ウォッカはナイアガラの滝のように流れ、ローラースケートを履いた2頭のトラは混ざり合って、「エキゾチック」を考えずにいられなかった。彼らはまた、俺たちに前進の王手も贈ってくれた。それに、厚紙かなにかの、まじででかいありえないサイズの小切手までくれた。それを銀行に持って行くのに俺がどれだけクソッと思ったか言い表せないな。だがしかし、少なくとも負けやしなかったとは言える。どうしたかって? そりゃすごいさ。

全てが次第に食べ物による幼稚なケンカのようなものに変わっていった。2Dがエクレアを、喉に詰まらせる程強く押し込んだのも、ひどいもののひとつである。しかし、しばしば勃発するこれらのイベントの時間の全ては、全くの無駄ではなかった。スミッフィは保守派の支援者を数名連れて来ていた。OK、ゴリラズはよかった…本当に、本当によかった、だが、それがきたる時に、噛み砕いて理解するためのちょっと余分な時間というものがなかったからだ、えー、読者のみなさん?

ラッセル: ウィフィ氏は我々をイギリスバンド「ブラー」のシンガーであるデーモン・アルバーンに紹介してくれた。彼とマードックは、ふたりともが主張するずば抜けた能力を競うような、当然与えられるべき報酬を、本当にすぐに手に入れたわけではなかった。足元に目を落としてデーモンがまずマードックに言ったことには、「君のキューバンヒールはありえないな。見て僕のやつ、いかしてるでしょ」。デーモンはマードックと似たような靴だったが、がっしりしたシルバーのヒールと、大きくてファンシーなゴールドの拍車がついていた。マードックはめちゃくちゃ屈辱だったと思うよ。彼は靴をとても誇りにしてたからね。

しかしながら、チンギス・ハンのような野望のセンスを分かち合うことをもって、ゴリラズとアルバーンは素晴らしい音楽の相互愛による絆の親友とあっさりなったのであった。マードックが主張することにはおかまいなく、アルバーンの協力と情報提供は当初からゴリラズにとってとんでもなく貴重な財産だった。アルバーンはバンドのために父性の象徴となり、時にはプロデューサーや黒幕の制作者となった。多くの陥りやすい罠のいくつかを避けられるようゴリラズに助言することは疑いようのない、彼自身が今までにしてきたことによって得た知識だった。

しかしながらマードックは、音楽についての会話を要求するよりも、それに公平に参加するためにもう一度強く問題を押しつけた。ミスター・ニカルスはそのコソ泥のような目を2Dの新しい恋人、愛らしく若い女性シンガー、レイチェル・スティーブンスへ向けた。彼は多くの静かな夕方とお楽しみを、魔法の、夢中にさせる呪文と共に費やした。「続けろ…続けろ…続けろ…続けろ。続けろ…ああ、続けろ」

最終的に、彼女がマードックの強烈なまじないにこれ以上耐えられなくなり、持っていたドリンクを彼の顔面に投げつけて怒鳴り散らした。2Dとレイチェルはマードックの絶え間ない嫌がらせが原因で翌日破局した。

2D: さよなら、大好きな君。

マードック: 終わったことさ。

元Sクラブ7、レイチェル・スティーブンス: スチューポット、2Dの本名だけど、ええと、そうね、私たちは深く愛し合っていたわ、ええ、つまり、私はいまだに彼が好きだけど…ああ、マードックのせいよ。2Dが見ていない時はいっつも私と関係を持とうとしてたみたいだし、私たちの関係を壊そうとしているみたいだったし、ねぇ、実際考えてみたら私のTシャツが1組ダメになったわ。

7フィートの小切手を銀行に預け、ゴリラズにはコングスタジオの外観を今あなた達が目にしている姿になるよう、ハイテクでおしゃれなガラクタで飾るのに無駄にできる時間はなかった。これ以上になくいかれたことには、ゴリラズは自分達で指揮を取り最上の世界デビューをするという、誰もがうらやむような企てに着手した。

マードック: もしこの船がつぶれても、そうさ、自分達以外に誰も責めるヤツなどいやしねぇ。

1998年11月31日 ゴリラズ、コングスタジオにてアルバムの制作を始める

ウィフィはマードックと2D、ラッセル、ヌードルを作業に配置した。

ウィフィ: 私に利益を寄越し、そして私は君たちと同じことをしよう。わかったか?

マードック: ああ、わかっているとも、スミッフィ。ドラマティックなサウンドは不要だ。俺たちが歌う契約で、間違いなく同意したことだ。で、そのまぬけな赤いカツラを押さえとけよ、相棒。驚いたぜ。

しばし時間が流れる。

ウィフィ: ええと…これは本当にカツラではないんだ。地毛だよ。

奇妙な沈黙。

マードック: まじか。

マードックは固まり、すぐに取り繕った。熟考し、落ち着きを取り戻した。

マードック: いいか? そこが重要なんじゃない。俺は「俺を信じろ」と言ったんだ。OK?

ゴリラズは手早く40のトラックを作り、そこから15の傑作に厳選した。

ゴリラズの噂は野火のごとく音楽界に広がった。

新曲は白熱し、皆がその歌を知っていた。完成まで秘密にし続けなければならない全ての企てに関わらず、スーパースターとコラボする長い道のりの一番最初は、コングスタジオの住人に「砂糖を借りに」、ひょっこり立ち寄った。そしてついにそのアルバムに姿を現した。

ラッセル: チボ・マットの日本人シンガー、羽鳥美保。彼女はヌードルと「リ-ハッシュ」でハモった。この楽曲は俺達のデビューアルバムの皮切りとなった。



メモ --------------------------------------------

A&R : Artist and Repertoire の略。日本でのディレクター 

EMI : イギリスのレコード会社

phonenum...phenomunen, ph... : "phenomenon(驚くべき物事)"と言いたかったが出て来なかった模様

Pepsi Challenge : コーラとペプシの飲み比べキャンペーン

Cristal : シャンパンの銘柄

like a wet kipper against a shed door : cf) better than a slap in the face with a wet kipper で「湿ったニシンで顔を張られるよりマシ」。状態が思っていたより悪く、だがさらに悪いことを引き合いに出し、それよりマシだと表現する

natch : =naturally

pump-action sawn-off : =sawed off pump action。sawn offはイギリス英語、sawed offはアメリカ、カナダで使われる英語。銃の一種。

Barclays : イギリスの銀行、ファイナンシャルサービス会社

food fight : 食べ物を使ったケンカ。日本の「大食いバトル」とは別物

Cuban heels : キューバンヒール。靴の一種

spazz : 狂っていること。ばかばかしいこと。表現がオーバーなこと。表現がちぐはぐなこと。おっちょこちょい。

November 31st : 11月31日。11月に31日は存在しない。

拍手

PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

フリーエリア

プロフィール

HN:
リオ(LIO)
性別:
女性

フリーエリア