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ゴリラズ伝説

ライズ・オブ・ジ・オーガを趣味で訳しているブログ

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ヌードル: とびきり特別な届け物

で、何の話でしたっけ。ああ、そうです、もう一歩進んで、もうひとつの背景へ。まだ未完成のゴリラズには、その足りないものをみつけ出す必要があった。急いで考えなければ。NME週刊音楽雑誌の後ろの広告を見るマードックの習慣、尊敬すべき時間において。

マードック: 俺は、その下の電話番号を注目させる言い回しを読んだ。「国際的な現象が世界制圧のためにギタリストを捜しているうんぬんかんぬん。グッドなユーモアセンス必須。ヒッピーお断り、などなど…」 受話器を置くや否や、扉がノックされた。扉を開けると、そこには誰もいなかった。

さびれた廊下に立っていたのは、フェデックスのマークの入った高さ10フィートの貨物コンテナだけだった。マードックが部屋の真ん中まで木枠を押して行くと、箱の中から身長3フィート2インチ(100センチ足らず)のヌードルが飛び出した。

2D: それがまじで来るなんて思ってなかったことを認めるよ。俺たちはスタジオのドアをノックする音を聞いたのに、そこにはただその箱があっただけだった。小さな日本人がレスポールを持って飛び出してきたんだ。彼女の話す言葉が俺にはわからなかった。ただただちんぷんかんぷん。でも、それから彼女は200もの悪魔がアラビア語で絶叫しているようなすさまじいギターリフを解き放った。天才だ! 彼女は20フィートのハイ空手ジャンプと共に締めくくった。おじぎをして、そしてたった一言、こう言った。「ヌードル」。

マードック: そうさ! ヌードルにその空いているポジションがハマり、そして俺のバンドは完成した。俺達4人のすぐそばを電気が走っているように感じられるだろう。俺から離れるために別の仕事へ走ったまぬけ共全員にこの話をしてやることは、実際すげぇ楽しかったね。

バンドは名前を「ゴリラズ」に改めた。伝説が生まれたのだ!

2D: 俺たちはヌードルが来るまで真のゴリラズじゃなかった。

マードック: あれだ、俺たちはたくさんのバンド名を使ってきた。だが、音楽的で、絶対にジャングルにまでとどろく名として、「ゴリラズ」は非のない名前だと思った。

ヌードルはゴリラズの精神であり「楽しみ」そのものだった。過去の記憶と知識を全て忘れていてさえ、楽しむことは彼女の生活に結びついていて問題にはならなかった。彼女の存在は特別で独特なパーツとして、この奇抜なグループに完璧にハマっていた。

ラッセル: 言語の問題をなしにして、実際に音楽の中に住んでいた、すげぇすばしっこいヌードルをマードックは手に入れた。ヌードルはすっぽりとおさまった。ギタースキルは並外れていたし、純粋な愛を秘めていた。実際、彼女はよく世話を焼くマードックを見て笑い飛ばすことさえできた。

スイッチは入れられた。ゴリラズは息づいている!!

そして動き出している! バンドはコングの腹の中、水面下で活動する厳しい下準備の時期に乗り出した。

ゴリラズは前進しながらレコーディングし、ほとんど間を置かずそのサウンドを固めていった。真っ先に完成したトラックは、「ゴースト・トレイン」と名付けられた陽気な宝石で、二組四人の持つまさにマジックな、はっきりした道筋と証明を示す、絶対的な勝利だった。ヒューマン・リーグの「サウンド・オブ・ザ・クラウド」からのサンプルをベースにし、さらに2Dによるわけのわからないラップをいくつか登場させたこのトラックは、まさに世界中を飛び回り、メジャーレーベルを垂涎させるに十分だった。

マードック: 俺は使い捨てカメラを持ってスナッピー・スナップスを駆け降り、1組のバンド写真を叩きつけた。それと「ゴースト・トレイン」のトラックと簡単なマニフェストを一緒に置き、EMIでは信頼できるミスター・ウィフィ・スミッフィに小包を投函した。俺たちがキていることをただ知らせるために小さなメモも忘れずに。それは、

「ばかなことはするなよ。もしヘマをしたら、後悔することになる。俺はお前自身に力を尽くさせ、お前自身を落ちぶれさせる仕事を約束されている。俺はここでお前にロープを投げてるんだ、坊や、おじゃんにするなよ…お前の人生の平穏のために、俺たちの契約とお前の贅沢な暮しをさ」

というメモだった。ああ、そうだな、わかるだろ… お前は既に特等席を手に入れた。早いうちに関係を築き上げるんだ。ほらな、俺が正しかったろ。ゴリラズは無能な有名人の刺客になった。線引きがされ、人々はどちら側に居たいかを決めなければならなくなった。「未来を受け入れるか過去に溺れるか」。お前の選択だ。

2D: うまくいったみたいだよね。すぐに電話が鳴り始めた。

マードック: ああ、その写真の俺たちが目を引いたんだ。

2D: 物事が本当に忙しくなった。同じ日なんて1日もなくて…うん…素晴らしい日々だった。新しく女の子と出会ったよ。Sクラブ7の、レイチェル・スティーブンスって言って、俺達付き合い始めた。超いい子なんだ。

マードック: その「S」って何だ?

2Dはマードックを見やった。マードックはウィンクする。2Dは視線を落とす。さらなる問題があることは疑いない。

2D: さあね。でもとにかく、俺は俺達がカムデン・ブラウンハウスでやってたセッションに彼女を誘った。それは俺達の初めてのセッションで、俺とレイチェルは休憩時には毎回抜け出した。



メモ ---------------------------------------------------------------

were where we : where were we? どこまで話してたんだっけ?

NME : New Musical Express。イギリスの週刊音楽雑誌

GSOH : Good Sense Of Humor。

all three foot two of her : footが単数系であることに注目。three feet twoで3フィート2インチの意。直訳で「彼女の3フィート2インチはその全てである」より、「ヌードルの全ては3フィート2インチである」、ヌードルの身長を表す。Special thanks to ふぃんさん、慕雨さん、みんごさん and Quackさん!

nobhead : nobもheadも頭の意。knobheadでばかの意

sling one's hook : イギリスの言い回しで、離れる、去る

bare my arse : 「I'll bare my arse in Fenwicks' window」で、確信を持って述べること。「(そうだったら/そうじゃなかったら)フェンウィックスのウィンドウでおしりを出してやる」。arseはass、フェンウィックスはイングランド北東にあるタインサイドという集合都市のデパート。ウィンドウディスプレイの質がいいらしい

Snappy Snapps : Snappy Snaps は写真の現像等を取り扱う企業

EMI : イギリスのレコード会社

whiffy : 悪臭のする。表記が"Whiffy"なので人名扱い?

sit on one's arse(ass) : なにもしないで座っていること。訳上では「なにもしない」=「仕事をせずとも暮らせる」=「贅沢な暮し」

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