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ゴリラズ伝説

ライズ・オブ・ジ・オーガを趣味で訳しているブログ

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3月、ゴリラズ行進中

「クリント・イーストウッド」騒ぎの裏でアルバムがチャートの上位に上ると、ブリティッシュ・プレスは一発屋のようにゴリラズをもてはやし始めた。あるいは、彼らのしたことは取り調べに近い詰問をする策略だったかもしれない。

ブリティッシュ・プレスは今日まで続く興奮と分析の興味深い連鎖を引き起こした。

マードック: おい! ラッセル。今までに食った一番でかい飯はなんだ?

ラッセル: あー…うん…あー…

ちょっと考えるだけでは恐らく、総合的な印象は、ゴリラズのアルバムは異常なクオリティであるということだった。広範囲に渡る影響に感心している間にも、初めてで実験的な方法でコラボするために、ゴリラズが自らを認めた人々に売り込んだ独特の方法は、一般的にも受け入れられた。

タイムズは、5つ星中、4つ星をあげた。「とがったビート、催眠的なローファイ・ダブ、そしてヒップホップのサウンドが、おもしろいだけでなく、同じくらい工夫を凝らしたひとつのアルバムを創り出している。機知と才能と想像力をもって実行されている。」

サンデー・テレグラフは以下のようにコメントしている。「もしハッピーになれる大量のドラッグを盛り込むなら、彼らが『ゾンビ・ヒップホップ』と呼ぶそれは、マッシヴ・アタックが鳴らしたかもしれないラップ、スカ、ポップ、ダブの自由で、掴みやすい、幅広いミックスをとてもよく捕えている」

ガーディアンは、ゴリラズは「はちゃめちゃな古いアメリカの電子音、イギリスのパンク、ワールドミュージック、スライ&ロビー」であると書き留めた。また新聞では「ゴリラズを愛せないにしても、好きにならずにはいられない。」と続けた。

とりわけ、ゴリラズは「新たな黄金時代でも特別なもの」として喜んで迎えられた。ミュージック・ウィーク誌はその週のスポットの羨望のアルバム賞を与え、モジョ誌は素晴らしい評価を与えて「エレクトリックでアップビートで、実のところとても良い」と締めくくった。

マードック: 「実のところ」? 「実のところ」ってなんだ? どんな時もこういった限定的な言葉はくだらねぇだけだ。抑圧から逃れて俺の愛する日光を浴びに来いよ。恐れるものなど何もない。

「輝かし」かったり「魅力的」だったりする言葉とともに、溢れんばかりの評価もあった。私はそれらに「大いに夢中にさせる」ものを目にしました。

マードック: 本当か? 俺はその頃ほとんど毎日「天才」「驚くべきもの」「俺が今まで見てきた中で最大級のてんこ盛り」という言葉を使ったぞ。

その賞賛にも関わらず、提供する音楽の認知度がその称賛を超えるのに十分高い水準に達する間、多くの評価者は、ゴリラズの「コンセプト」がうんざりさせる能力を持つという批評と共に、掛け値をいまだにはぐらかしている。

事実は、相容れない2つの側面である。自意識過剰を抑制し、成し遂げられる結果を生む、より創造的になるためのコラボする相手を認めてゴリラズが自らを売り込むことは独特の手法である。

マードック: びっくりだぜ! 「シニカル」、つまりは「市場戦略」。ただのくだらねぇでかいお荷物だ。全てのバンドは市場に出され、創り出され、考え出されている…さもなければ粗悪なガラクタとしてただ浮上するだけだ。お前らはただメーカーの質を確認するだけでいいんだがな。真剣に。俺たちはそれに出来得る100%良い出来だと思わないものは絶対に世に出さねぇ。

ラッセル: 俺たちが子どもの頃に見上げていた素晴らしく見えるバンド、素晴らしく聞こえるバンド…裏切らないアーティストの壁に俺たちが掲げるバンドに対して持てる情熱によって、非常に多くの作品が生まれ出た。俺たちが次世代にそれらにとって活気のある、貴重な何か、熱中できる何かを与えていると思えることと、それが今も続いているということは、俺たちにとってクリアするために重要だった。ゴリラズは愛の結晶だった。

2D: 実はちょっとだけ俺おかしくなっちゃったよ。俺って作り物として生まれたの? それとも作り物になっちゃったのかな?

ゴリラズのデビューに関する評価の多くは、コラボした人々の経歴に前後してのアルバムについて書かれており、しばしばバンド自身の才能と提供物は見落とされていた。

ラッセル: どうやらデーモン・アルバーンの保証が俺たちに全ての道の扉を開いたようだな。だけど別の仕事と一緒に関係付けたら、彼にとっては外に見せる多くの役割から一時避難するための機会になる、俺たちとの共同体のようなものになったんだと、俺は思うね。

マードック: 違うな。奴は関係者であって決してメンバーではない。客でもない。とにかく、実際は「俺の」外向けの顔を制作するのに図々しい機会だった。ただゴリラズの4人のメンバーがいた。えー… 俺と、ラッセルと、ヌードルと、それからええと…なんて言ったかな。それと、ぶっちゃけて言うと、俺は奴らに対していくらか疑いを持ってる。

マードックは手に持った合成飲料を音を立ててすする。

マードック: もうひとつ教えてやろう。懐かしさを盛って話すために、奴らがばかなことを長々と繰り返しているところで「20分前の出来事を思い出す」番組のひとつを観ていた頃のことだ。俺は「俺たちがしていることをするために、みんなくたばっちまえ」という考えを思い出した。昔の番組の再放送にコメントしている奴らと一緒に、彼らが今していることの全部が番組を作ってるなら、どうやって新しい懐古ドラマを作るんだ? 俺たちがやってくるまでこの国は井戸の底で動けないでいたのさ。

あるステージで雑誌は、自分たちのゴリラズ誌のいくつかを請け負った、アルバムの共同制作者と映像ディレクターとしてのそれぞれのやり方でとても興奮したデーモン・アルバーンとジェイミー・ヒューレットをふたりとも捕まえた。

マードック: いっつもいいところにいて得点をかっさらっていく奴ら。俺がテレビに映っている時はいつもそのふたりも映ってるんだ。とうとうテレビを窓の外にぶん投げなきゃならなかった。

新聞とメディアが胸中でかけ引きしていたかもしれない間、ゴリラズのファンは何の予定も持たなかった。このアルバムは、支援者とコラボ相手の互いに、そして全員に、棚から飛び降り今までそれぞれが経験してきたなによりも偉大な成功をもたらした。

ラッセル: 子どもにはわかるんだ。俺は子どもこそ本当にわかってると思うね。それに、俺にとって、俺たちにとって、それは大切なことなんだ。俺たちが創造する世界、俺たちがなにかを変えようとした段階は、他のどんな音楽活動とも同じくらいに大切だ。この活動がひとつのバンドから成り立っていること、ただそれだけ。だが、俺たちがインスパイアされたものは、ただ大きなものとしてだ。

2D: 多くのバンドが、かっこよく見えるように自身を表現するためにイメージを創る。ゴリラズはあるイメージみたいに創った、すっごくかっこいいものなんだ。俺達の活動の理由だよ。

ラッセル: 俺たちはその頃、かなりたくさんのインタビューを受けなければならなかった。音楽に集中している間は誰かが書いてくれればいいのにとちょっと思ったもんだ。でもそれは間違ってるからな、自分たちでちゃんと受けたよ…

おかしな考えの一方で、その頃は広く出かけて演奏した。

マードックは素早くユーロスターのチケットを4枚購入し、サンドイッチ2セットとホットコーヒーの魔法瓶を荷造りして、ゴリラズはフランスへ「イギリス海峡を越えて」向かった。ウーララ!





メモ ---------------------------------------------------------------

a flash-in-the-pan : 一時的な。ハイフンのない「a flash in the pan」で一時的な成功。一発屋。フランベのようにフライパンでぱっと燃え上がることから

gobsmacking : gob smacking。驚くべきもの。仰天させること

whatshisface : 名前が思い出せない時に使うスラング。what's his face

goal-hanger : サッカーにおいて、いつも得点を狙って敵方のゴール付近に待機している味方プレイヤーのこと

à travers la Manche : フランス語。to cross the English Channel

Ooh La La : 「ウーララ」。フランス語の感嘆語。あらら

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