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ゴリラズ伝説

ライズ・オブ・ジ・オーガを趣味で訳しているブログ

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ナイト・オブ・ザ・リビングデッド: ロンドン・スカラ

マードック: なぁ、俺たちが「クリント・イーストウッド」のPVで戦端を開いたとはわかっていたが、本物のバンドか? 他のみんなはライブに出るだけでいいんだ。俺たちもそこに出て行かなくちゃならないし、証明しなくちゃならねぇってことはわかっていた。カムデン・ブラウンハウスの演奏もひとつだが、俺たちは生きて息をしている観客の前で、筋肉を動かして、俺たちの「ロック」への憧憬を集める必要があった。

従って、2001年の2月のレースには、コングからこっちバンドに休息を与え、ステージ用に仮面を使う用意をし、また、優待招待客にライブの初公演の優先鑑賞をしてもらうためにも、ロンドンはホロウェイ・ロード区にあるデポ・スタジオに1ヶ月間のリハーサルの予約をした。「俺たちはお偉い評論家の前にふんぞり返ってただけじゃないぜ」。

2001年2月27日 デポにて初リハーサル

複雑なステージショーは、背後でゴリラズの4人が演奏し、それを純白のシーツの上に投影するという独特なデザインのビジュアルとグラフィックで工夫された。その意図は、不吉な作り物の姿を投じる表現豊かなシルエットとなったゴリラズに見ることになった。

マードック: ああああ…幽霊バンド!

ヌードル: 私たちがスクリーンの裏で影と輪郭を映している間、みんなパブリックイメージがどうなるかってことに好奇心でいっぱいだったし、私たちはパブリック・イメージ・リミテッドの80年代初頭のニューヨークのパフォーマンスのオマージュだなと思ってスクリーン上の投影を見てた。

フルカラーアニメはいまだにすっかり彼らのシルエットで見られている。

マードックは、ドルチェスターでのデスティニーズ・チャイルドのランチパーティを加えた、ブリクストンでのミッシー・エリオットのパーティも含む、首都周辺の様々な来賓名簿を強奪するために、夕方2Dと時間を作ったロンドンでのリハーサルの強みを最大限に使った。

マードックは新しい名声で金を稼ごうと目論んでいた。

マードック: 俺は35年間サインの練習をしてきたもんで、上手く目立つように書けるぜ。すごくなめらかだろ? そして今では人々は、俺が考える「オーケー、お前たち。俺は偉大な魔法のしるしを掴むだけだ」という俺を認識し始めた。

それからマードックは、強大な洗濯婦の商業チームを連れてきて洗いたくなるような、とても汚い笑い声を発した。

2D: 開いているドアのどこにだって行けた。そんなおもしろさだ。みんな俺が来るのを見たら締め出したものだったのに。

2001年3月22日 ゴリラズはロンドンはキングス・クロス・スカラにて演奏する

全てにおいていまだにメディアの大きなドッキリかもしれないという慎重な疑いを浴びせたとは言え、「クリント・イーストウッド」はチャートの上位にランクしており、一般受けはゴリラズの方に傾いていて、もしルックスで採用されたのなら面汚しな観客から価値など得られなかった、ホクストンの酔っ払いの一団によって最後まで演奏された。

その上、シングル曲とPVでかなりの喝采を集めていたことは、他の地域の批判に対して広く開かれた。

マードック: ああ、太陽の届かないところのものなら全て突き刺せるんだぜ。ギミックである俺たちを非難するってことは、「ちょっとしたメサイアコンプレックス」を持っているキリストを非難することに少し似てるな。多分マジだが、俺たちが見せた間違いない才能を目の当たりにしても、本当にまだ問題があるのか?

スーパーモデルのヘレナ・クリステンセンやサディとジュード、ザ「アント-オア-デック」、クラッシュのポール・シムノン、そしてテレビのお気に入りのぼさぼさ頭のゴブスミス、「ジョナサン・ロス」らも含む多くの注目を集める出席者のために、ライブは開催された。

マードック: 多くの有名人が降りてきて、演奏中の若き神を覗き見ようとした。だが俺たちはスクリーンの裏だったろ? だから俺のケツの影にキスできるぜ、「ミスター・ジョナサン・ロス」。

ラッセル: 実際にミスター・ロスはある日からいつもゴリラズに協力的だったから、そこに彼がいたことはいいことだった。

マードックはたじろいで一呼吸してから以下の通り加えた。

マードック: 教えてといてやるが、俺はP.I.L.が好きでも、そのスクリーンで俺の道を切り開いただけだし、ひどい観客の顔面にもろに俺の太く毛深い「ベース」を押しつけただけだ。それは奴等を完全に黙らせた。

家の照明が落とされた時、マードックはひと組の黒人の美女に素早くキスをした。バンドは「M1 A1」の前奏を切り裂いて、デビューアルバムの150デシベルの演奏を最後のひとしずくまで続行した。それは、正面の机に精神の全てが囚われている酷く酩酊状態のブライアン・イーノとディーヴォによって、ラバダブ風に演奏されたザ・フーの「ライブ・アット・リーズ」のようだった。

マードック: 本当か? …その録音ってもらえるか?

会場の受け付けは大騒ぎだったが、バンドの楽屋はとても落ち着いていた。それは、ゴリラズの技能をフルに発揮するため、スタジオの外に彼らを連れ出すため、メインステージへ上げるために、たくさんの素晴らしい偉業が彼らの前に待ち受けていることを示した。

マードック: 実際、くだらなくもあったんだ。個人的には俺たちはその晩、襲撃者を演じたと考えていた。俺は丸1週間寝ずにどんなにかゴリラズが素晴らしかったかを俺が目の当たりにしたかをみんなに教えて祝った。

2D: 翌日、ある雑誌に、「2D:『テナガザル』大きなそれ」と書かれて俺の写真が載ってた。一体全体、どういう意味なの?

マードック: ああ…あー、実際それはかなりいいな。ゴリラズ:「テナガザル」大きなそれ。俺にはそこでしたことがわかったぜ。

2D: わかんない。

スウィーティ・アイリ―とミドル・ロウの一味が聴衆に投げた20ポンド紙幣の土砂降りの下、イギリスでヒットした彼らによる「クリント・イーストウッド」のガレージ・ミックスのパフォーマンスと共にその夜は終わった。

全てが全て、ファーストライブにして悪くなかった。翌日の新聞はやや太っ腹であった。

NMEが「彼らの一番の働きは、スーパースターのエゴの否認の成功例である」と推測している間、ザ・タイムズは「冷たく情操教育を妨げる品質」を持つこの演奏を非難し、このボーカルは「へたくそでおかしな裏声」で歌ったと書き留めた。

ガーディアンは、ゴリラズはデーモンの豊富な経験となるちょっとした悪ふざけだったと示唆した。

インデペンデント・オン・サンデーの記者の、ある丸々と太って胸を張った、ピエロのような髪型の変わり者は、ゴリラズを「詐欺未遂」と呼び、「2003年のある日、アルバーンは目覚めると、不本意にも恥ずかしい記憶に胎児のように体を折り曲げた」と示唆してデーモン・アルバーンに対して特に酷く攻撃した。

身内だけで演出された初めてのフルのライブのへのそのような攻撃は、恐らくやや強かった。

マードック: おかしなことに、それ以来、彼のゴシップコラムがしぼんでいく間に腹の出た無能が今のサイズにまで膨らんだ。恐らく奴は実際に自らの言葉を飲み込んだんだろう。

2001年3月26日 ゴリラズのデビューアルバムがリリース

マードックの4日間に渡るライブ後の打ち上げは、ストークの分別ある若者の感情が入り混じった日だった。ゴリラズのアルバムは全国的に発売されたが、悪い面では移動式売春宿であるマードックの大切なウィネベーゴがコングスタジオの駐車場から盗まれた。

マードック: それで、販売戦略として、いくつかの輝かしいCD屋がアルバムに無料の鍵をつけようとひらめいた。鍵を受け取った者は俺のウィネベーゴを開けられるんだ。「俺の」忌々しいウィネベーゴ。予想通り、それは30分以内になくなった。消えた。そんで聞いてくれるか? 俺は盗んだのは変人のドクター・ヴォーツェルだと考えてる。

なるほど。ドクター・ヴォーツェルとは?

マードック: 頭にくるぜ。奴はゴリラズに対して何もしていないにも関わらず、俺たちがバンドを始めてからずっとクソだ。奴のことはドクターだということとヴォーツェルだということ以上に詳しくは知らない。奴に従うネットオタクの軍隊を持っている。奴が俺のウィネベーゴを盗んだ時、ちっぽけなオタクたち全員が、コングスタジオじゃないどこかで俺のウィネベーゴを運転しているヴォーツェルの写真を投稿した。ビッグベンのてっぺん、デス・スターの上、ケントの湖の中、忌々しいケーキの中で焼かれて…神よ。本当にイライラする。「俺の」ウィネベーゴ!

「マードックのウィネベーゴ捜索」は、ゴリラズのサイトに毎日更新される、新鮮でエスカレートする、さらに奇妙な注目の的と共に、ゴリラズのネット上のファン達を通してウイルスのようにさっと熱狂を拡めた。ドクター・ヴォーツェルもまたそれ以降、ゴリラズの初撮りの「ゴースト・トレイン」を密輸し、当初のギタリスト、ポーラ・クラッカーがいる頃のゴリラズの初期のメンバーの画像をインターネットに流していると噂された。彼はその両方を、盗んだウィネベーゴからみつけたのだ。

マードック: このレコードレーベルがアルバムにつけて鍵をプレゼントしなけりゃこんなことは起こらなかったんだ。つまり、くそっ! 真面目な話、どんだけ厚みがあんだよ? 車の鍵をセットにしてプレゼントするってのは。エルトン・ジョンでそのくそみたいなセットを引いてみろよ、お前よ。お前が当たるのはどれくらいか見てみろって。

マードックはひと息つき、移動式の家を失ったことについてまだ腹を立てている。

マードック: 実際、それは本当に、あっという間に俺を怒らせるのには大成功だった。既にドラッグストアでカフェインのタブレットの大袋を買って、古いウィネベーゴを使って、イギリスを縦横するツアーをして、全てのシングルが「チャートに返り咲く」可能な限りの店に赴く計画を朝6時から立てていた。ひとたび古い移動式の家が盗まれ、そして…俺はタクシーを使わなけりゃならなかった。

マードック・ニカルスは借用証書の書き損じが尽きる前に、なんとかして自身のアルバムを少なくとも17,500枚は買おうとした。しかし、まだその作業を続けている。

2001年4月1日 ゴリラズのアルバムがイギリスのチャートにランクイン

ゴリラズのデビューアルバムはイギリスのチャートの3位にランクインし、ゴリラズを過たずスターにした。アルバムチャートですって!? それはガンズ・アンド・ローゼスとサバスのような大きく確実なバンドが成し得たタイプの事柄だ。今、ゴリラズが彼らのランキングの中に仲間入りした。

ラッセル: これからは音楽が少なく多くのインタビューを受けるということをやめる。だが俺たちは求め続ける…誰が文句を言える?それが俺たちの今の転がり方なんだ。

マードック: 違うな友よ。お前は実際に丸いからな。それは「お前の」今の転がり方だ。





メモ ---------------------------------------------------------------

Scala : スカラ。施設の名称で、クラブとミュージックホールを持つ

earn one's stripes : 努力して尊敬を得ること。軍隊において昇格するごとに階級章の線が増えることから(直訳で「線を稼ぐ」)

ghosties : ghostyの複数形。ghostyは、例えば「幽霊部員」の「幽霊」の部分で、在籍者として名前はあるが活動していないこと

with egg on one's face : 恥をさらす。へまをする

The Guardian : イギリスの主要な新聞

chalk up to experience : 悪い状況や行動や結果の、悪影響のことをくよくよすることよりもむしろ学習経験と考えること

Independent on Sunday : イギリスのオンライン新聞、インデペンデントの日曜日版

eating one's own words : 前言を撤回する。直訳で自分の言葉を食べる

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